公立学校教員と私立学校教員
教員をめざす上でまず知っておきたいことは、公立と私立のどちらをめざすかで、採用情報の探し方や就職活動の方法が異なるということです。公立の学校は、各自治体の教育委員会から発表される募集要項などから情報を得て、採用試験を通過すると、教員になることができます。私立の学校は、学校ごとに情報を得る必要があり、採用試験の内容も学校によって異なります。教員をめざす場合は、公立・私立それぞれの特徴を知った上で就職活動をしていく必要があります。
公立学校教員
【1】自治体ごとの採用試験を受験する
公立学校教員になるためには、各自治体の採用試験を受験し、合格することが求められます。この試験に合格すると、成績順に「採用候補者名簿」に登載され、その後、各学校に採用されると、晴れて教員になることができます。
【2】公立教員採用の流れ
下の図は教員採用試験の大まかな流れです。教員採用試験を受ける際は、事前に試験の流れをしっかりつかんでおきましょう。校種や都道府県、市区町村によって試験時期なども異なるので、自分の希望する試験について詳細を確認しておくことも必要です。
【3】公立教員採用試験の内容
教職教養試験 | 教員として必要とされる知識を問われる試験で、教育原理、教育史、教育法規、教育心理などに関する問題が出題されます。 |
一般教養試験 | 社会人として必要とされる知識を問われる試験で、人文科学、社会科学、自然科学の分野から多く出題されます。 |
専門教養試験 | 学校で担当する教科の知識について問われる試験で、志望する校種や教科によって問題は異なります。学習指導要領に応じた専門知識などが出題されます。 |
論作文試験 | 与えられたテーマ・課題について、自分の考えを論理的に述べることができるかを問われる試験。教育に関する課題も多くあります。 |
面接試験 | 教員としての資質や適性、人間性、社会性などを見る試験。形式もさまざまで、個人面接や集団面接だけでなく、集団討論、模擬授業などもあります。 |
実技試験 | 実技指導が必要な校種・教科で行われる試験。体育、音楽、美術、家庭など、その教科に応じた試験を行います。英会話やパソコンなどの実技を課す自治体もあります。 |
適性検査 | 教員として必要とされる、精神面や性格の特性などを調べる検査。検査の種類はさまざまで、自治体ごとに検査内容は異なります。 |
私立学校教員
【1】学校ごとに個別に出願する
私立学校の教員になるためには、各学校が個別に行う採用試験に出願するか、学校によっては大学のキャリアセンター(就職課)に求人を依頼することもあります。
私立学校の教員採用は公立学校よりも採用数が少ないため、私立教員をめざす人は、キャリアセンター(就職課)や各学校のホームページ、私学協会、就職情報サイトなどを利用して、こまめに採用情報をチェックし、受験機会を逃さないようにしましょう。
【2】私学協会に登録する
各都道府県にある私学協会に登録していると、私立教員に採用されることもあります。登録方法はさまざまで、履歴書を依託(提出)することで名簿に登載されたり、「私学教員適性検査」を行い、その成績上位順に名簿に登載される場合もあります。登載された応募者の中から、各私立学校で書類審査や面接などを行い、それを通過すると教員として採用されます。