「入社したい熱意」を伝えることだけではない
志望動機と聞くと、いかに入社したいかという「熱意」を伝えることだけだと思っていませんか?企業側はエントリーシートを見るまでは、「なぜ、この人は当社を選んだのか」という疑問を抱いています。まずは、その疑問を解決することが先決です。以下を参考に、志望する理由や入社後何ができるかを「具体的」かつ「自分の言葉」で表現し、心に残る志望動機にしましょう。
志望動機で意識するポイント
志望動機を書くときは下記のポイントを意識しましょう。
その企業でなければならない理由をアピール
志望動機は企業に対するラブレターのようなもの。その業界を志望する理由だけでは「同業他社でもいいのでは」と思われてしまいます。企業研究で感じたことを自分の強みや価値観と絡めて書くなど、他の企業への志望動機には転用できない内容にすることが重要です。
その企業で、どのように貢献したいかを明確に
やりたい仕事を伝えるだけでなく、自分の能力や経験から「何ができるのか」も伝えましょう。入社後すぐには就くことのできない職種もあるので、自分なりに「3年後、5年後はこうありたい」「そのためにはこういった経験を積みたい」など、具体的に提示するのも良いでしょう。実際に働いている訳ではないので、イメージする程度ではありますが、今後の取り組みに対してアクティブな気持ちの表れと理解されます。
志望動機の作成手順
【1】志望動機と結びつくような体験やスキルがあれば書き出してみる
例えば、アルバイトで体験したこと、ゼミの研究テーマ、周囲で起こった出来事、とても感動した思い出など。また、志望業界・志望企業で仕事をする場合に必要とされるスキルや資格についても書き出してみましょう。学習途上もしくは資格を取得できていない状況であっても、大学在学中に結果を出すために努力しているのなら、決してマイナスにはなりません。
【2】その業界や企業について情報収集をする
業界の本をまず1冊読み、基礎知識がついたら、その企業の会社案内やホームページ、新聞・雑誌などを読んでさらに情報を収集。この時、興味を持ったことや疑問に思ったことは書き出しておきましょう。これは面接の時の質問材料にもなります。
【3】実際に志望動機をまとめていく
これまでの情報収集の中で、感じたこと・興味を持ったこと、自分が経験したことを材料にして、なぜその企業に興味を持ったのか、また自分はその企業でどんな貢献ができるのかを考え、志望動機をまとめてみましょう。
こんな志望動機はNG
志望度が低いと、どうしてもぼんやりとした内容の志望動機になってしまいがちです。下記のような内容になっていないかチェックしましょう。
- ●会社案内やホームページに書いてあることを、ただ並べただけになっている
- ●自分が何をしたいのかが明確になっていない
- ●「こんな社会人になりたい」という漠然とした理想論
- ●業界に対する憧れだけになっている
良い志望動機の例
【質問例】なぜ当社を志望したのですか?
私は、国内旅行に力を入れている旅行会社に就職したいと考えています。大学4年間で日本全国を周り、その土地へ足を運ばなければ感じることのできない自然の素晴らしさや、各地の人々の温かさに触れ、多くの思い出を作りました。日本人は海外旅行好きと言われていますが、国内にもまだまだ世界に誇れる素晴らしい場所があるということを伝えたいと思っています。
(1)数ある旅行会社の中でも、貴社は観光地を中心としたパッケージツアーだけでなく、日本の自然や景色、その土地の歴史などをテーマにした商品を展開されており、その点にとても魅力を感じました。
(2)また、説明会での〇〇さんのお話で、仕事内容がお客様への商品案内、予約手配、添乗業務から精算処理までと幅広く、全てに携わることができると伺ったことにも魅力を感じました。月に3回以上の添乗をこなしながらデスクワークを行うのは、とてもハードな仕事だと感じましたが、トータルで旅のサポートができることは、企画力をつける上でも貴重な経験になると思います。
(3)将来はその経験を活かし、他社にはない、日本の素晴らしさを伝える旅行商品を企画できるようになりたいと思っています。
- (1)業界だけでなく企業に対する志望理由が書かれている。
- (2)企業研究ができていることが伝わる。
- (3)どんな仕事がしたいのか伝えている。