自己PRとは「企業に自分を売り込む」こと

就職活動における自己PRは、例えるなら「自分という商品を企業に売り込む」ことです。商品を売り込む場合、その商品についての知識をつけ、その商品の良さを相手に納得してもらう方法を考えるのではないでしょうか。就職活動も同じです。「自分という商品がいかに素晴らしいか」を、過去の経験や将来の可能性などを交えて企業に説明します。この「納得させる材料」を、自分の中から引き出してくる作業が自己分析です。これを怠ると、抽象的で漠然とした話にしかならず、説得力のあるアピールにはなりません。時間をかけて自分を深く掘り下げ、企業を納得させる自己PRを作りましょう。

自分の内面にあるものと行動がつながる部分を見つける

今までの自己分析で出てきた結果を整理していきましょう。一見するとバラバラに思えるものも、そこには共通して見られる価値観や性格、能力、行動パターンなどがあるはずです。例えば、「この3つのエピソードから、こういう性格が見えるな」というように、つながっている部分を見つけていきましょう。それがいくつかできたら、その中から「どれが1番のアピールポイントになるか」を考えていきましょう。

アピールポイント例

  • □絶対に譲ることのできないこだわり
  • □複数のエピソードから見える価値観や信念
  • □共通した価値観からとった行動
  • □長所+それにまつわるエピソード   など

強みを表すキーワード(例)

チャレンジ精神がある/信念がある/負けず嫌い/几帳面/手を抜かない/向上心がある/献身的/正義感が強い/責任感が強い/真面目、堅実/計画性がある/誠実/勤勉/継続力がある/忍耐強い/自主性がある/積極的/プラス思考/行動力がある/エネルギッシュ/アグレッシブ/ポジティブ/リーダーシップ/面倒見が良い/人脈が広い/ムードメーカー/コミュニケーション能力/巻き込む力がある/交渉力がある/社交的/気配りができる/協調性がある/思いやりがある/創造力がある/個性的/ユーモアがある/論理的/理解力が高い/企画力がある/分析力がある/判断力がある/探究心がある/努力家/集中力がある/好奇心旺盛/情報発信力がある/視野が広い/柔軟性がある

3ステップで自己PRを組み立てる

どの強み・エピソードで自己PRをしていくかが決まったら、実際に文章を組み立てていきましょう。次の3ステップが基本パターンです。

1 アピールするポイント(=結論)を最初に伝える

「アピールポイントは何なのか」という結論を先に述べると、強い印象を与えることができます。

2 裏付けとなるエピソードを具体的に伝える

もちろんアピールポイントを伝えるだけでは、相手には根拠が分からず説得力がありません。具体的なエピソードとともに、「なぜそう行動したのか」「それにより何を学んだのか」なども盛り込むようにしましょう。

3 仕事で活かせる能力をアピールする

エピソードとともに「この強みを仕事でこう活かします」と企業に伝えることが重要です。

自己PRを作る際のポイント

【1】事実だけでなく、能力や考え方の成長を伝える

事実をそのまま伝えるだけでなく「なぜそうしたのか」「どう取り組んだのか」「困難をどう乗りこえたのか」「何を学んだのか」「これからどう活かすのか」など根拠を盛り込みましょう。

【2】構成・表現は簡潔で分かりやすく

無理に凝った構成や表現にしようとすると、かえって伝わりにくくなる可能性があります。分かりやすく、簡潔にまとめるようにしましょう。

【3】聞き手に伝わる構成を心掛けよう

話の中身は立派でも、流れが整理されていなかったり、単なる自慢話になっていたりすると、魅力がうまく伝わりません。どのようにしたら魅力を感じてもらえるか、話の流れ・構成に注意しましょう。

【4】数字や実例などを用いて具体的に

自分の強みを正しく理解してもらうためには、数字や実例を挙げて説明することが有効です。曖昧な表現では、あなたの人物像も曖昧にしか伝わらないと考えておきましょう。

【5】話すとどれくらいの長さになるかチェックしておこう

面接で話す際、自分の自己PRがどれくらいの長さになるのかチェックしておきましょう。原稿用紙1枚(400字)は、面接で話すと1分くらいになると考えてください。